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マグマの性質

by chigaku last modified 2009-11-05 17:57
1 ねらい

 溶岩の流出する様子から地下のマグマの存在を確認するとともに、溶岩が釣り鐘状に盛り上がっているものと、広く平らに広がっているものとを比較することで、火山の形や噴火活動の様子がマグマの粘性と密接に関係があることが理解できます。

2 準備するもの

・発泡スチロール板(25㎝×25㎝×1㎝) ・ビニル袋(およそ25㎝×20㎝、3枚) ・三脚

・小麦粉(100g×3) ・墨汁(少量) ・水(60㎤、80㎤、100㎤) ・ラップフィルム ・セロハンテープ

・ドリルまたはカッター

3 実験の方法

①発泡スチロール板の中央部にドリルまたはカッターでフィルムケース(直径約3㎝)と同等の穴をあけます。

②発泡スチロール板にラップフィルムをのせ、セロハンテープで固定し、発泡スチロール板の穴に合わせて、ラップフィルムに穴をあけます。※ラップフィルムを貼っておくと後片付けが楽にできます。

③フィルムケースを利用した絞り出し口を発泡スチロール板に取り付けます。

用具
④3枚のビニール袋に次のものをそれぞれ入れてよく混ぜて溶岩に見立て、粘性の違いを確認します。
 a 小麦粉(100g)、水(60㎤)を混ぜ流紋岩質溶岩に見立てる。
 b 小麦粉(100g)、水(80㎤)、墨汁(2~3滴)を混ぜ安山岩質溶岩に見立てる。
 c 小麦粉(100g)、水(100㎤)、墨汁(少量bより多く)を混ぜ玄武岩質溶岩に見立てる。
マグマの作り方

⑤ビニール袋の口の部分を三脚にのせた発泡スチロール板の穴の下から上に出し、フィルムケースで挟みます。

⑥ビニール袋を手で絞り、溶岩が発泡スチロール板と同じ高さまでくるようにします。

⑦ビニール袋をゆっくりと絞り、溶岩が出てくる前後の地表の様子、出てきた溶岩の形などを観察します。

マグマの噴出

4 留意点

・溶岩に見立てる材料には、小麦粉の他に石膏や歯科用印象材(アルギン酸塩印象材)が考えられます。それぞれの材料に加える水の分量を調節することで固化するまでの時間を変えることができます。
・歯科用印象材はリアルに火山噴火の様子を模擬的に表すことができるが、やや入手しにくいのが難点です。Web上の「型取材」のサイトで購入できます。
・発泡スチロール板に粘土などで火山をつくると、より火山噴火がリアルに再現できる。 

5 結果  

粘性大   粘性中   粘性小
昭和新山   桜島   三原山
       昭和新山モデル           桜島モデル          三原山モデル

 粘性が大きいほうがもり上がった形(昭和新山モデル)になり、粘性が小さいほうは平坦な形(三原山モデル)になります。桜島モデルは昭和新山モデルと三原山モデルの中間型になります。

6 解説

火山の形は噴出する溶岩、すなわちマグマの性質によってほぼ決定されます。SiOの含有量の多い酸性の溶岩は低温のうえ流動性が低いので盛り上がった鐘状の火山をつくります。SiO量の少ない塩基性の溶岩は流動性が大きいので、広大なすそ野をもった楯状の火山をつくります。どの火山も1回の噴火だけではなく、何回もくり返し噴火しているので、火山の形はさまざまです。したがって、形の分類はなかなか困難なのですが、一般には次のように分類されています。

一覧表

(1) 鐘状火山

粘性の大きい溶岩がおし上がってできた火山で、鐘を伏せたような形をしています。規模は小さく、急斜面の火山となります。箱根の二子山、昭和新山がその例です。

(2) 成層火山

溶岩と火山砕屑物が交互に重なってできた円錐形の美しい火山で、日本にはこの例が多く見られます。富士山がその代表です。

(3) 楯状火山
流動性の大きい塩基性の溶岩からできており、広大なすそ野をもつゆるい傾斜の火山で、古代戦士が使っていた楯を伏せたような形からこのように名づけられました。代表例はハワイのマウナロア火山で、日本には典型的な例は少なく、成層火山との中間的なものが多く見られます。

火山噴火の形式

(1) 溶岩の噴出を主とするおだやかな活動
おもに玄武岩質の溶岩を流出し、激しい爆発をともなわないで、おだやかに噴出する活動です。ハワイ諸島のマウナロア火山やキラウエア火山の噴火がその代表的な例です。この種の火山の溶岩は一般に玄武岩質であるため流動性が大きいので遠くまで広がり、非常に傾斜のゆるやかな火山をつくります。マウナロア火山は太平洋底からの高度が8000mにも達し、火山としての高さは世界一です。

(2) 溶岩の噴出に激しい爆発をともなう活動
この形式の噴火は混合式噴火ともいわれ、最も一般的に見られる噴火様式です。流動性の大きい玄武岩質のものから粘性の大きい安山岩質の溶岩まであり、激しい噴火をともないます。この場合、流出した溶岩流と激しい爆発時の火山砕屑物とが交互に重なり合って円錐形の高い山になり、山ろくには雄大なすそ野が広がることが多くなります。富士山はこのような火山の代表であり、この他にも北海道の羊蹄山などがあります。日本にはこの種の火山が多く見られます。

(3) 激しい爆発を主体とする活動
地下に多量のガスがたまって、これが一瞬のうちに激しく爆発する噴火で、ときには山体の大部分を破壊することもあります。この形式の噴火で有名なものは、1888年(明治21年)に起こった福島県の磐梯山の噴火です。このときの噴火では、火山ガスの大爆発により、山体の約2/3以上が吹き飛ばされました。

(4) 火山砕屑物の噴出やその流れを主体とする活動
大小さまざまの火山砕層物が、高温の火山ガスや水蒸気と混ざり合って噴出する比較的おだやかな活動です。砕屑物が空中に吹き飛ばされてから流れることもあれば、火口から山腹に沿って流下することもあります。この種の噴火は周期的に火山砕屑物と火山ガスを吹き上げ小爆発を繰り返すので、危険が少なく、少し離れた場所で観察することもできます。
阿蘇火山や箱根火山などの過去の記録にはこの種の火山が多く、また阿蘇山や浅間山では、現在でもこの種の活動が続いています。

発展学習用の教材を見る(火山噴出物の飛散の様子を観察する実験)

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