Personal tools
You are here: Home 物理 磁石に関するもの 磁石の種類と着磁器
Document Actions

磁石の種類と着磁器

by butsuri last modified 2007-04-16 16:49
Ⅰ 磁石の種類

  磁石にはいろいろな種類があり、その特性を知って使うことが必要である。

(1) 鋼性磁石

昔からよく使われる磁石で、U字型、馬蹄型、棒状の磁石がある。
鋼鉄でできており、磁力は弱く、劣化しやすい。
付磁器(着磁器)で磁力を増したり、消磁器で磁力を消したりすることができる。
保管するときには、磁力が落ちないように鉄片をつけるか、異極同士をつけて、磁気回路を閉じておく。
01鋼製磁石

 02着磁

着磁器があれば、スイッチの操作ひとつで着磁、消磁が簡単に行え、大変便利である。

学校にある弱った磁石も簡単に新品並みの強さに戻せる。

操作の様子(クリックすると動画が見られる)

着磁器がなくても、コイルと電源装置があれば着磁器と同じことが行える。

ただし、コイルは太い(0.8mm程度)のエナメル線を十重ほどにまかなければならない。

市販のものもある。 

03コイルによる着磁

(2) フェライト磁石

安価で磁力も強く安定しているので、掲示用のマグネットなどに多く使われるようになっている。
色を塗ったものや、穴のあいたものなど多くの種類がある。
04フェライト磁石


(注意1)

フェライト磁石は鋼製磁石の何倍も強い。そのため、鋼製磁石のN極(S極)はフェライト磁石のS極、N極どちらにも引きつけられてしまう。フェライト磁石に対して鋼製磁石は単なる「鉄の棒」のように振る舞う。

(注意2)

   フェライト磁石には、
    ① 厚み方向着磁
    ② 面方向着磁(面2極着磁)
 の2種類あるが、②は実験には不向きである。掲示用のマグネットは、ほとんど②の磁石が使われている。
フェライト磁石の上に砂鉄を撒き(OHPシートを置くとよい)、磁化の様子を調べてみると、同じ円盤状のフェライト磁石でも、3通りあることが分かる。

04-1 04-2 04-3

厚み方向着磁

面方向着磁(交互)

面方向着磁(同心円)

 2個の磁石を合わせたとき、①はぴったり付く(1枚が裏返ることがある)が、②はずれてつくので分かる。
04-4 04-5
  厚み方向はきれいに重なる 面方向はずれて重なりやすい

フェライト磁石のN極、S極を知る方法
2枚のフェライト磁石の間に糸を挟み、静かに吊してみるとN極が北を向く。もし、始めにS極が北を向いていると、回転を始め、なかなか止まらない。紙でもできるが、細長く切らないと紙のねじれの作用が大きくて、うまくN極が北を向けないことがある。
1枚のフェライト磁石の極が分かったら極を記入して基準の磁石としておく。他のフェライト磁石は、基準の磁石との引き合う・反発するで極を決められる。
鋼製磁石の磁力は弱いので、鋼製磁石のN極S極を利用してフェライト磁石の極を知ることはできない。

05極決め


(3) アルニコ磁石

フェライト磁石より強く、特に熱に対して安定である。
以前は強力な磁石として使われていたが、高価であり、今はフェライト磁石が多く使われるようになっている。

06アルニコ磁石

(4) ネオジム磁石

永久磁石としては最強と言われている。
高価である。
破損しやすい。
強力すぎるため、扱い方によっては怪我をするおそれもある。
07ネオジム磁石

(5) ゴム磁石

板状のものや棒状のものがあり、ハサミで切れるので加工しやすい。特に板状のものの中には、裏に粘着剤が塗ってあるものもあり、何かと便利である。
磁石は切っても切っても切り口に極が表れることを示すために棒状のゴム磁石が使える。ただし、長さ方向に着磁してある物を選ばなければならない。マグネットバーに使われているものや板状のものでは、N極S極が交互になっているため、うまくいかない。
08ゴム磁石

08-1 08-2 08-3
長さ方向着磁では切り口が磁極になる  横方向着磁 板状ゴム磁石は交互に着磁

(6) 電磁石

コイルの巻いてある密度、流す電流、中に入れる芯の種類によって強度をコントロールできる。
コイルの巻き密度を高くすれば強い磁界が得られるが、そのためには細い導線(エナメル線やホルマル線)が必要である。しかし、導線が細くなれば電気抵抗が増し、乾電池などでは大きな電流を流すことができなくなり、磁界を強くすることはできない。一方、太い導線でコイルを製作すれば電気抵抗が少なくなり、大きな電流で強い磁界を作ることができるはずであるが、乾電池では流せる電流にも限りがあり、電池の消耗も激しくなる。

乾電池1個で強い電磁石を製作する場合の、コイルの直径と導線の直径、おおよその巻き数を計算すると、おおよそ次のような値になる(コイルの長さは直径の4倍)。
09電磁石

Ⅱ 磁石の性質

  磁石はいろいろな性質を持っており、その特性を活かすことでさまざまなものを作ることができる。

(1) 異極は引き合う
N極とS極の間には、その磁極の強さの積に比例し、距離の二乗に反比例した引力がはたらく。
極同士が引き合いくっついてしまえば、それ以上の変化は起きず、物づくりとしてはあまり面白くない。(エネルギー的に安定になる。)

(2) 同極同士は反発する
反発するものを近づけておくことは不安定であり、不測の動きをするので物づくりとして面白い。ゆらゆら人形やパクパクワニなど、いろいろな物が考えられる。
ただ、フェライト磁石のような薄いものでは、すぐに裏返ろうとするので、裏返らない工夫が必要である。

(3) N極(S極)は北(南)を指す
北(North)を指すからN極なのである。
(ということは、北極は何極でしょうか?)
磁石の指す北(磁北)は、地球の自転軸の北(真北)とはずれており、また年々変化している。方位磁針(コンパス)と地図を頼りに山歩きをするときに、このことを知らないと道に迷い遭難することにもなりかねない。最近の富山付近では、磁北は真北より7°ほど西にずれている。
正確には、最新の国土地理院の地形図に書いてある。

(4) 鉄などの磁性体を引きつける
鉄、ニッケル、コバルトやこれらを成分とする合金は強く磁石に引きつけられ、強磁性体と言われている。ただし、砂鉄は磁石につくが、赤さびはつかない。


(5) 鉄などの磁性体を磁石にする
鉄釘や針を磁石でこすると、鋼製磁石とすることができる。
こするときには、往復運動をせずに、円を描くように一方向だけに向かってこする。
このとき、N極でこするとこすった先がS極となる。

(6) 切っても切っても磁極が出来てくる
電気は、正電荷または負電荷だけを取り出すことができる(静電気)が、磁石の場合にはN極だけ、S極だけを取り出すことができない。これは、磁気の元が原子内での電子の運動によりN極とS極が対になって発生することによる。
長い磁石の中ほどは磁力を持たないが、それを切るとN極とS極が現れ、どんどん短くしていっても、必ずN極とS極が現れる。
これは一見、沢山の磁石が出来て良いように思えるが、短くすると磁力自身弱くなるし、磁石としての働きは、磁極の強さ×NS極間の距離(てこの原理と似ている)で表せるので、短くすると磁石としての働きが落ちる。
ゴム磁石で、長さ方向に着磁されたものがあり、児童でもカッターナイフで簡単に切ることができるので、磁石の学習の発展学習にも利用できる。
 
(7) N極から出てS極に入る磁力線を持つ
厚紙やプラスチック板の上に砂鉄をまき、裏から磁石をあてると磁力線が見られる。いろいろな磁石の置き方を試してみると面白い。

(8) 磁力が紙などをとおす
磁力は厚紙やプラスチック板を通す。これは、紙や普通のプラスチックが電気を通さないことと対照的である。
ただ、鉄板を持ってきた場合には、磁力の強さと鉄板の厚さなどによって微妙な現象を起こすので、十分な予備実験が必要である。

デジタル理科室のトップページへ

小学校の理科室のトップページへ

物理実験室のトップページへ

 

Powered by Plone CMS, the Open Source Content Management System

This site conforms to the following standards: