直列・並列回路(演示実験)
1 ねらい
電気は日常生活の中でなくてはならないものとなっているが、電流の単元は分かりにくいところでもある。分かりにくい最大の理由は、電流の流れが目に見えないからである。電流計などで測定する方法はあるが、間接的なものであり、電流の流れとしては実感しにくい。
そこで、目に見えない電流を視覚的にとらえることができ、直列接続と並列接続の違いを実感できるような教材を開発した。電流の学習の導入に演示実験として活用できる教材である。
2 準備するもの
|
・100V用電球(10W2球) |
![]() |
|
レセプターと豆電球 |
3 実験の方法
(1) パネルの作製
① 木板の上にスイッチ1個とレセプタ2個を配置して接続する。
② 3mmの3本を木板の裏から取り付け、ターミナルとする
③ 木板に豆電球ソケットが入る穴を4個うがち、接着剤で豆電球ソケットを固定する。
④ 木板の裏にゴム磁石を張り、黒板などに張り付けて演示しやすくする。
⑤ 100V用10Wの電球2球を装着する。
⑥ 6.3V0.15Aの豆電球4個を装着する。これをパイロットランプとする。
|
|
|
|
|
裏にゴム磁石を貼る |
直列接続 |
並列接続 |
(2) 演示1 直列回路での実験
① 両方のみの虫クリップを中央のターミナルの接続し、スイッチを入れる。電球は2球とも暗く点灯する。4個のパイロットランプも同じ程度の暗さで点灯する。パイロットランプが暗く点灯するということは、回路に弱い電流が流れていることを示すということ、4個のパイロットランプが同じ明るさであるということは回路の電流はどこも同じであるということを説明しておく。
② 1個の電球を緩める。1個の電球を緩めただけで、すべての電球が消え、パイロットランプも消える。直列回路では、途中1か所でも切れると、回路全体の電流が流れなくなることが示される。
(3) 演示2 並列回路での実験
| ① みの虫クリップを両端のターミナルに接続してスイッチを入れると、2球とも点灯する。電球に近い側のパイロットランプ(電球を流れる電流の強さを示す)は少し明るく、スイッチに近い側のパイロットランプ(回路全体の電流を強さを示す)はもっと明るく点灯する。並列回路では、電球に流れる電流より、回路全体の電流が強いことが示される。 ② 片方の電球を緩めても、他の電球の明るさには変化がなく、3個のパイロットランプが同じような明るさになることが分かる。並列接続では、他の電球(抵抗)の接続に関係なく電流は流れ、回路全体ではその電流が足し合わされることが示される。 |
![]() |
4 留意点
(1) 2つの回路の特徴をとらえ、その違いが接続方法のどのような差違によるものかを理解させる。
| 直列接続 | 並列接続 | |
| 片方の電球を緩める | どちらが切れても回路全体に電流が流れなくなる。 | どこかが切れても、他方の電流には影響がない。しかし、回路全体の電流は小さくなる。 |
| 接続方法の違い | 回路は一本道である。 | 回路は枝分かれしている。 |
(2) 抵抗として電灯用電球を用いているが、その電球が家庭の各種電気器具に相当していることを説明する。その上で、家庭の電気はどちらの接続方法かを考えさせる。また、家庭全体での電流がどのようになっているかをパイロットランプの光り方から考えさせる。
(3) 生徒自身が実験するのは乾電池を用いた直流であるが、演示用としては、より大きな電球で見やすくするために電灯用電球を用いている。直流と交流の違いに触れる必要はないと思われる。
5 解説
パイロットランプとして使用する電球には、次の①~③の制約がある。
① 回路に影響を与えないように、抵抗は小さくなくてはならない。
② 直列回路ですべての電球が接続されたときの電流は小さいが、その小さな電流でも点灯しなければならない。
③ 並列回路ですべての電球が接続されたときの電流は大きいが、その大きな電流でも切れないような電球でなければならない。
②と③は対立する条件であり、この条件をなるべく緩和するためには、回路に使用する抵抗用の電球として適切なものは見つけにくいが、6.3V用(0.15A)の豆電球(なつめ型)と100V用10Wの電球が適当組み合わせであった。
豆電球の点灯開始電流・電圧、破損電流・電圧(クリックするとデータが見られる)




