バイオリアクター(酵母菌固定化ゲル)
1 ねらい
酵素や微生物を用いてアルコールなどの有用物質を作るとき、使われた酵素や微生物は使い捨てにされてきた。しかし、酵素や微生物を水に溶けない高分子のカプセル中に包み込めば、何回も使用でき、多量の有用物質を作り出すことができる。これがバイオリアクター(生体反応器)を使う大きな理由である。
パン酵母を、アルギン酸(コンブなどにふくまれる天然高分子)で包み込んだビーズカプセル(人工イクラで使われている方法)で、アルコール発酵のバイオリアクターをつくる。
2 準備するもの
・ドライイースト ・ビーカー3個(小2個、中1個) ・ガラス棒 ・温度計
・三角フラスコ ・ラップ ・注射器と注射針 ・ガスバーナー ・三脚と金網
・ガーゼ ・砂糖 ・アルギン酸ナトリウム ・1.5%(W/V)塩化カルシウム溶液
・ブドウ果汁
3 方法
①アルギン酸ナトリウム1gをお湯40mlに完全に溶かし、アルギン酸ナトリウム水溶液を作る。アルギン酸ナトリウムは溶けにくいので、湯煎しガラス棒でかき混ぜながら少しずつ入れて溶かしていく。
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②ドライイースト5gを水40mlに完全に溶かし、イースト懸濁液を作る。
③アルギン酸ナトリウム水溶液が適温にまで冷えたら、両液をよく混ぜ合わせ、混合液とする。
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④注射器の出口を指で押さえながら混合液を注射器に入れ、シリンダーを差し込んで上に向け中の気体を抜く。
⑤ビーカーに塩化カルシウム水溶液をとり、その中に混合液を注射器で滴下し、包膜コウボを作る。混合液の中の気体を十分抜いてから滴下しないと、気体がそのまま膜内に残るので注意が必要である。注射器がない場合はピペットで代用する。球体のビーズカプセルができたら成功である。
ビーズカプセルは30分程度で固くなる。
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⑥十分な量の包膜コウボができたらビーカーの口にガーゼをかけて塩化カルシウム水溶液を捨て2~3回水洗いする。
(塩化カルシウム水溶液は何度でも使える)
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⑦300ml 三角フラスコに水を200ml 入れて,砂糖5g を加える。この中にビーズカプセルを入れ、三角フラスコを30℃のお湯に入れてあたためる。ビーズカプセルは,始めのうちは沈んでいるが、時間とともに浮き上がってくるのがわかる。数時間から2日程度たてば,浮いたり沈んだりする様子が見られるようになる。
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⑧また、三角フラスコに包膜コウボを入れ、ブドウ果汁約50mlと砂糖を大さじ1杯を入れ、ラップでふたをする。三角フラスコを30℃のお湯に入れてあたため、(1日後に結果を調べる場合には恒温器などに入れる。)注いだ直後と数時間後、あるいは数日後の果汁の臭いを比べる。
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4 留意点
(1)数時間後にはアルコール臭がしてくる。1日たつとはっきりわかるようになる。フラスコ内にはアルコールができている。
(2)包膜酵母の粒が上下に運動するのは、アルコール発酵で発生した二酸化炭素で浮力がついて水面に上がり、二酸化炭素が空中に出ると浮力を失って水中に下がることを繰り返すからである。
(3)ビーズカプセルの中のイーストは外には出られないが、糖はカプセルの中に入るので、イーストはその糖を二酸化炭素とアルコールに分解している。
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カプセルを入れず、ブドウ果汁だけのものは腐敗するが、カプセルを入れたものは、アルコール発酵によって腐敗が見られない。












