イカの解剖と内部の構造
1 ねらい
イカは身近で入手しやすい動物である。イカの解剖をとおして、実際の動物に触れ、動物の形態についての理解をより深める。
2 イカの特徴
①2本の触腕と8本の腕をもつ。
②2個のカメラ眼があり、レンズの厚さは変化せず前後に移動しピントを合わせる。
③2つのエラ心臓の間に心臓がある。エラ心臓を含めると3つの心臓がある。
④イカの泳法は、ろうとの両側の開口部から外とう腔に水を吸い込み、環状筋を収縮することで外とう内の水を勢いよくろうとの先から噴射され推進する泳法。
⑤イカの寿命は普通1年でオスは交尾の後メスは産卵の後に死んでしまう。
3 準備するもの
・解剖器具一式 ・解剖皿 ・実体顕微鏡 ・過酸化水素水
4 方法
(1)外部形態の観察
①イカはひれの形で種類を見分けることができる。
②腕、触腕、ろうと、眼、口、を観察する。
③触腕の吸盤と腕の吸盤を比較し観察する。
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触腕の吸盤の柄の部分は腕の吸盤よりやや短い。
・イカの吸盤にはザラザラした角質環があるが、タコの吸盤には角質環はない。
・口に対する腕の配列を確認する。
・5対の腕の基部に囲まれて口部がある。外側より、周口膜・外唇・唇と呼ばれ、周口膜には7つの突起(周口膜支柱)があり、触覚の機能がある。
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口の中央に見える黒い部分は顎で上顎(がく)板と下顎板からなり、俗称は「カラストンビ」という。
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・イカの泳法(ジェット推進)は、ろうとの両側にある開口部から外とう腔に水を吸い込み、環状筋を収縮すると外とう内の水が勢いよく、ろうとの先の開口部から噴射される。 |
(2)解剖
<解剖手順> 腹部→頭足部→口器の順に解剖する。
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①解剖ばさみを使って、正中線を避け外とう膜を正中線の5mmほど右側で切り開く。ろうとの上の肉の部分をそっと持ち上げて切る。 |
②ひれの一番先まで切り込みを入れ、ゆっくり開く。開くと、皮の部分と内蔵の部分とがくっついている。ここがボタンになっているので、はめたりはずしたりしてみる。
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ボタンの開け閉めをしてからゆっくり開く。ボタンは外とう軟骨器、ボタン穴はろうと軟骨器で、機能がボタンとボタン穴の関係に似ていることからこう呼ばれている。 |
③成長した大きなイカでないと性別はわかりにくい。
成長したイカでは、雌にはくねくねした輸卵管、雄には白い精子のカプセルが見られる。
(3)イカのからだの仕組みを確認する。
④呼吸器官(エラ)及び心臓を確認する。
・エラに過酸化水素水を滴下すると青白い血液の色が見える。
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⑤胃、腸、肝臓などの内臓を確認する。
・肝臓は内臓の中で最も大きい。エネルギーの貯蔵庫。
・すみ袋(墨汁嚢)は、セピアメラニンという色素を作り、直腸につながっている。多少光沢のある白色の膜で包まれている。管は肛門付近で直腸に開口する。
⑥胃は食道につながりる大きな内臓。
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⑦直腸は胃につながる。イカスミの入っているところのとなりに並んでいる細長い臓器。
⑧内臓をよく観察したら、内臓を体から注意深く引きはなす。内臓を強く引っ張って切ってしまわないように、注意深く切り離す。
食物の通り道を調べる場合、口からスポイトでインクを入れて調べる方法もある。スポイトは口のなるべく奥まで入れ、口の奥深くへ入ったら、ゆっくり押してインク入れる。
⑨ひれの部分にあるのは精巣又は卵巣である。
⑩内臓の裏側の透明な板は、いわゆるイカの背骨(軟甲)。成分は炭酸カルシュウムで貝類の貝殻にあたる。
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⑪内蔵を取った後、イカの肉の部分に放射状にくっついているのが巨大軸索である。
⑫頭部を開いて、観察する。
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口は大きいが消化管は細いので注意する。中を開けて、舌をピンセットで引き出してみると、歯舌がギザギザになっているのが分かる。鳥のくちばしのような部分は「カラストンビ」と呼ばれる。 |
(4)眼の構造の観察
①頭部から眼を切除し取り出す。
眼を丁寧に中の物を取り出す。水晶のような球が現れる。新聞の上に置くと字はどうみえるか。イカの眼球は脊椎動物と同じカメラ眼で、ヒトと同じく高度な視覚器構造を持つ。しかし、レンズの厚さを変えることはできないので、レンズを前後することによって焦点を合わせるカメラ眼である。
②視神経がないか注意深く観察する。
③脳は眼の下方にある白いもの。
④水晶体(レンズ)を観察する。
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(5)直腸に寄生虫がいないか注意深く観察してみる。
魚介類につく寄生虫の種類はたいへん多いが、人体内で増えることはなく、ほとんどは無害。有害な寄生虫の代表的なものがアニサキスとニベリニア。
アニサキスの幼虫は、体長が2~3cm、体幅 0.5mmくらいで、白い木綿糸がゼンマイ状に巻いたように見えることが多い。ニベリニアの幼虫は、長さ1cmくらいの乳白色で米粒状。
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直腸内の寄生虫 |















